東京マーブルチョコレート

もともと昔から谷川史子さんの作品って好きだった。
作画に温かみがあって、ストーリーに味があって。そんな作家さん。
そう、それこそ少女漫画雑誌と言えば「りぼん」と「なかよし」しか出てこなかった頃から(笑)。


その谷川さんがキャラデザイン、しかも製作がプロダクションIG(設立20周年記念ですか)というアニメが「東京マーブルチョコレート」。
「こりゃー観るしかないでしょう!」と、前々からチェックしつつも今回あろう事か谷川さんの漫画から先に入ってしまった。
それがコチラ。


東京マーブルチョコレート ハロー、グッバイ、ハロー。 (ワイドKC)

東京マーブルチョコレート ハロー、グッバイ、ハロー。 (ワイドKC)


いっやぁ〜〜〜、切なかー!!!


セツナスもの大好きなワタシとしましては大満足な1冊でございました。
こんな女の子、こんな男の子、実はいっぱいいるんじゃないかな?と思わせるような身近な設定で。
アニメでは一組のカップル(チヅルと悠大)が描かれているのですが、この漫画版はこの2人が出会う前の過去の恋愛を描いています。


彼女のいる幼馴染をずっと想っているチヅル。
その関係を壊したくなくて、告白する事も、想いを断ち切る事も、嫌いになる事も、彼の「彼女」を嫌いになる事も出来ないまま。
「二人でいる時だけは、私のものでいて欲しい」
チヅルの本音が漏れた後の、彼が一言言った「ありがとう」という言葉が切な過ぎます。


一方、高校時代同じ剣道部で仲良くしている彼女を想っている悠大。
ある日、親友が「彼女の事が好きだ」と悠大に話す。
それを聞いた悠大は自分の気持ちを誤魔化して、身を引く事を選んでしまう。


いつも仲良くしていた3人。そのうち2人が恋人同士になる事によっていつしかバランスが崩れてしまう。
3人で過ごした楽しい時間を二度と取り戻す事が出来ず、その上思いがけず彼女に本当の自分の気持ちを暴露してしまう。
彼女の口から、「もう遅い」と言われる悠大。
これはとっても意外な結末でしたが、その後の彼女の「幸せ!」と言う笑顔が何とも言えず素敵。


これを読んだ後「じゃあこの2人の恋愛模様どんだけ切ないんだ!?」と、完全にセツナスを100%期待してコレを観たのですが……


東京マーブルチョコレート -マタアイマショウ- Production I.G × SEAMO [DVD]

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すんません、正直……ちっちゃいロバが暴れてるな、としか……。
何だろ?漫画のような「うん、うん!!あるよね、そういう事!!」みたいな感情移入ができなかったと言うか……。


「このアニメの副題はドジッ子カップル”でいいんじゃなかろうか」と思いながら観てました。
せっかく素晴らしい漫画作品があるんだから、その設定を生かして欲しかったな、と*1
各サイドの視点から作品を創る、という観点はとっても面白いと思ったんだけど。
27分しかない中、大半をロバの荒い鼻息で費やしてしまうのはいかがなものかと。


あと。
すんません、何でキャストが無駄に豪華だったんでしょうか…?
何故ロバにあの方*2が?
そして、何故ホスト風のチャラ男にあの方*3が?
謎の多い作品でした……。まぁ楽しめたんだけどね。

*1:でもよく見たら漫画のほうが発売日が後だから後付けとも思えますな…

*2:乙女ゲー・ツンデレ代表

*3:エ○ボイス代表