冬のソナタツアー(ウソ) 1/8

2月23日(月)〜3月2日(月)までの1週間、相方の仕事の遠征(?)に、韓国へ着いて行って来ました。


場所は韓国のスキーリゾート・ヨンピョン(竜平)。
何故仕事の遠征先がスキー・リゾートなのかはいまだよく分からない謎として、私と相方は桜が咲き始めている台北を離れ、我々と相方の同僚、相方の上司と計4人で韓国へと旅立ったのでした。


実はここで、私が計画していた事が1つ。
それは、日本から私の両親をヨンピョンへ呼ぶ事。
かいつまんで言いますと


・相方が仕事に勤しんでる間に、親子3人はスキーを楽しみましょう
・2月の出国の際に重過ぎて持てなかった荷物をそこで受け取り、まんまと台北へ持って帰りましょう


…ってな事だけなんですけどね。


さて、今回の韓国遠征に際して、書いておかなければならないのが、相方の同僚の韓国人・Aさん。
相方が単独で渡台していた頃には、相方に


「今度の日曜、2人で野柳*1へ行こう!」


と言い出したり、男2人でビーチに出かけたもののバスの乗り降りに失敗し、真夏の台北*2を30分歩く事になった際に


「俺が軍隊にいた頃*3は、訓練でこういうのは当たり前だったけどなあ」


と言い放ったりと、日本男児とはおおよそ別次元に生きているお方です。
まぁ色んな意味でニュータイプなお方なワケですが、今回行くのはそんな彼の生まれ育ったお国・韓国。
きっと色々な情報を持っているだろう、彼のアドバイスを受けながら賢く旅をしてしまおう♪とワクワクしていた私。


そう言えば出発するかなり前からAさんが
「東ソウルバスターミナル付近の銀行でレートのいい所を知ってる」
と言ってたなぁ。
よっしゃ、そこで今回の韓国旅行分の両替は一気にやっちゃおう♪
と張り切っていた我々。
当然、台北国際空港に着いた時点で韓国ウォンなんて一切持ってません。


しかし、仁川空港に着いても、そこからリムジンバスに乗らなくてはソウル市内には入れないんだよな、っていう事に今更気づいた我々。
時間も経っておりゲートにそろそろ入らないと、という状況になって


相方「僕達まだ韓国ウォン持ってないんだよ」
Aさん「really?」


との会話が交わされまして…。



え!?あなた今



「really?」



って言った?ねぇ!!



あなた、先日まで「東ソウルバスターミナル付近の銀行で両替しよう」って言ってなかった!?
しかも今日待ち合わせしたMRTの駅から今まで、どこに両替するチャンスが我々にあった!?
気づくの遅かった我々も落ち度あるけど…いや、それ以前に今日今まで一緒にいたじゃん!!ソウルの空港から市内に向かうのは決定なんだから一言言ってくれても良いんじゃないのー!?ねぇ、どうなんすか!?ねぇ!!


と一瞬にしてぐるぐるになったのですが、そこは相方の上司・Lさん*4に「僕今韓国ウォン持ってるから*52000ウォン貸してあげるよ」との声が。





……や、やべぇ、


Lさんがカッコいい……!!





と本気で思いながらも飛行機は飛び立ち、ソウル・仁川空港へ到着。


・ ・ ・


ところで、この日は朝8時のフライトだった為、起床時刻は何と朝5時。
私は3時間ほど眠ったのだけど、相方は「起きれないとヤバイ」と、この日はカンテツ。
フライトもその後のリムジンバスもウソのように眠りこけていた為、あっという間にソウル市内へ来ていました。


着いたのは別名「東ソウルターミナル」と呼ばれる、ソウルメトロ2号線の駅「江辺(カンビョン)」。
着いた瞬間、ハングルの洗礼を受ける私。



以前韓国旅行に行っていた父から「ハングル文字しかなくて困ったよ〜」とは聞いていたのですが、まさかここまでとは……。
でも、大丈夫!今日は韓国人のAさんがいるもん!賢く旅行してやるんだーい!


と、はりきって重い荷物もなんのそのでソウル市内を歩いていたのですが……。
数分後。







Aさん、銀行への道を迷いまくる。




いや、違うな、迷いまくる…と言うより「道を聞きながらも間違える」と言うのが正しいか。
デパートの受付嬢らしき方に聞くのは分かる。
デパートの中のレストランのウェイターに同じデパート内の銀行の場所を聞くのもまだ分かる。
けど……駅の外の露天商のじいさんに聞くなんてのはさすがに予想外だ。


ようやく着いた銀行は江辺から散々歩いたデパート内。
恐らく江辺からそれほど距離はないとは思うんだけど、如何せん迷いながら来たから最短距離なんて分からないし、1度でここへ辿り着く自信なんて当然ない。


そこで入った銀行は確かにレートは良くて、結果的にはかなり得した形でウォンを手に入れる事はできたんだけど。*6
……ヤバイ。
私はその銀行で、直感、そう思いました。


それは、私の両親の事。


1.日本から同じヨンピョンを目指す両親もソウルは経由する為、Aさんの「東ソウルバスターミナル付近の銀行がレートがいい」という事を教えてしまっていた事。


2.しかし、その銀行までの道のりが非常にややこしかった為、とてもじゃないけど教えられないし、旅行用ガイドブックしか持っていない彼らがそこを見つけられるとは到底思えない事。


3.ソウル市内までの分しか両替をしていなかったら、他に両替所を探さなくてはならない事。


目の前が真っ暗になりました。
もし、今一文無しだったら…?
もし、両替所が他に見つからなかったら…?(もしくは閉まっていたら?)
ソウルで足止めを食らって、ヨンピョンへの中距離バスに乗れなかったら…?
どんどん悪い方へ考えが行ってしまいました。


相方に「母の携帯*7に連絡を取ってみてくれ」とお願いをすると、今度は国際公衆電話を探さなくてはならなくなりました。
そればかりはさすがに韓国語の出来ない自分達でも探せるぞ、と気合充分。
ようやく探し当てた電話機で国際電話を試みるも、困った事が1つ


この電話機、コインしか受け付けてくれなかったのです。
現在の韓国ウォンのコイン最高金額は500W。
日本円に換算すると、50円にも満たない額なワケです。
50円未満の金額で国際電話*8をかけようとしてもどだい無理な話であっという間に途切れるワケです。
両替したての我々にそうそうコインなんてないし…というわけで、結局第1回目・江辺からの電話では


私の両親は1.の情報を受けて、最低限の両替しかしていない という事が判明。
その上で、
2.の内容を伝えた 


という事だけでした(何の解決にもなってねぇ)。


どうすんだ……orz


私が1.の情報を両親に伝えた事を後悔したのは言うまでもありません。


しかし、銀行でかなりの足止めを食らっていたので、両親のバス停到着予定時刻にも近づいていたのも事実。
もういっそ東ソウルバスターミナルで待っていようか―とも思ったけど、相方の上司であるLさんもいる為「レジャーで来ている私の両親を一緒に待って下さい」とはとても言う事は出来ず。




頼む!


ヨンピョンまで無事着いてくれ!




祈るような気持ちでバスに乗り、それでもあっという間に眠りこける*9という芸当をし、2時間後にバスは乗り換え地点である横渓(フェンゲ)に到着。



夕方5時半、起き抜けに両親の事が更に心配になるこの風景。
せめて「横渓」の文字くらいあれば分かるのに、それすらないんかい!!
と、愕然としました。



ヤバイ。真剣にヤバイ。
私達だって韓国人のAさんがいながら、自宅出て12時間経過してもまだ目的地に辿り着いていない状況だと言うのに。
……そうこうしている内に、横渓(フェンゲ)から出ているヨンピョン・スキーリゾート行きのシャトルバス(無料)が着き、不安な気持ちを抱えたままヨンピョン入りしました。


ここでの私の両親への願いは、もはや


頼む!


フェンゲまで無事着いてくれ!


後は何とかするから!


に、変わっていました…。


・ ・ ・


相方の仕事場である「ホテル・グリーンピア」に着いたのは夜6時半。
ホテルの入口で相方の嘗ての所属先の先輩・Rさんに会い、久々の日本語に私も何だかホッとしたりしました。
聞くと、今ホテルのレセプションでご飯が出てるらしい、との事。
「早く行かな、ご飯なくなるんちゃうか?」とRさんは言ってくれたけど、私が無事にヨンピョンに着いた今心配なのはやはり両親の事。


宿泊する宿の名前は伝えているから、まずはチェックインをして。
両親がまだ着いていなかったら、2回目の電話を掛けよう。


…という事に話は落ち着きました。
案の定両親はまだホテルには着いていない事が分かり、不安なまま2回目の電話を掛ける事に。


第2回目・ヨンピョンからの電話では、


両親がフェンゲまで辿り着いている事
シャトルバスがなかなか来ないので、タクシーを拾った事
今現在、タクシーに乗車しているという事


が、判明。
………胸を撫で下ろしました。


その約十分後、「タワー・コンドミニアム」にてようやく到着した両親と会う事ができました。



母、涙目(色んな意味で)。



「やぁ〜ん!良かった〜っ!会えたぁ〜!」と抱き合って喜びましたさ。
聞くと、韓国に着いた直後の「金浦空港⇒東ソウルバスターミナル」からして相当な苦労をした、とか。


今なら分かる。
どれほどの苦労をしたのか。



何と私の両親は「金浦空港⇒東ソウルバスターミナル」を地下鉄でやって来たのでした……。


これから韓国を旅行する方。
「空港 ⇒ 市内」で、地下鉄利用は絶対やめなはれ。しんどすぎます。


しかし。
「リムジンバス+タクシーか、地下鉄か、どちらが良いですかね?」
と事前に聞いていた母に対し


「地下鉄の方が良いと思いますよ」


と答えていたのは、他でもないAさんだったのでした……。



オイ!!!


(2日目につづく)

*1:台北から日帰りできる海沿いのリゾートエリア

*2:その日の気温は35度を平気で超えており湿度も日本より高い為、普通に日陰に立っているだけでも耐えられないような気候だった…らしい

*3:韓国の徴兵制度

*4:通称「台湾一のナイスガイ」。私もそう思う

*5:事前に用意していたとしか思えない程の手際の良さでした

*6:だが時間は1時間近くかかった

*7:母の携帯は海外でも通じる機種

*8:距離的にはお互いソウル市内にいるのですが、母の携帯へは1度日本のコールセンター的な所を経由する為国際電話になるのです

*9:薄情な娘だ